自律神経ってなに?
自律神経失調症を理解する上で大切なことは、自律神経を知ることです。
神経は、体中に張りめぐっていて脳からの情報、指令を各器官に伝達する役割です。神経は、大きく分けると体性神経、自律神経があります。体性神経の働きは 自分の意思で体の各部分を動かす神経のことです。例えば、食事、話す、音楽を聴く、スポーツをする行為は、体性神経の働きによるものです。
自律神経の働きは、自分の意思とは関係なく、体の器官の必要に応じて働くのが自律神経です。体の内部からの情報や外部からの刺激に対して自動で反応 します。自律神経は色々なところで働いています。暑い日には、汗をかきますが、これも体温を調整するための自律神経の働きです。
意思とは無関係に反応するのが、自律神経の作用によるものです。自律神経は状況に適応するために無意識に反応し、体の各器官に働きます。呼吸、代謝、体温調整、などの機能をコントロールしています。生命を維持するための重要な役割を果たしています。
交感神経と副交感神経
自律神経は、交感神経と副交感神経のから成り立っていて交感神経は緊張などしたときに作用します。また、副交感神経は体力などを回復するときに作用します。交感神経と副交感神経が必要に応じてバランスよく切り替わることにより体のバランスを保っています。
具体的に交感神経と副交感神経はどんな働きをしているのでしょうか?
スポーツをして体を動かすと心臓の拍動が速くなります。自律神経が自動的に働くためです。さらにいえば、自律神経の交感神経が興奮して働くからで す。この興奮が夜まで続くと眠りにくく体もやすめることができません。そこで副交感神経が働き心臓の拍動をおさえます。このように臓器や器官は、交感神経 と副交感神経の支配を受けています。
交感神経と副交感神経の微妙な作用によって調整されて私たちは、毎日を過ごしています。何かのトラブルにより切り替えがうまくいかなくなると、支障が生じて自律神経失調症になってしまします。
【交感神経と副交感神経の働き】
器官 | 交感神経 | 副交感神経 |
---|---|---|
瞳孔 | 拡大させる | 縮小させる |
唾液腺 | 量が少なく、濃くなる | 量が多く、薄くなる |
気管 | 広げる | 狭める |
心臓 | 拍動が速くなる | 拍動が遅くなる |
皮膚 | 収縮する | 拡張する |
冠動脈 | 拡張する | 収縮する |
血圧 | 上昇する | 下降する |
胃腸の働き | 抑制する | 促進する |
消化液 | 分泌を抑える | 分泌を高める |
膀胱 | 弛緩する | 収縮する |
子宮 | 収縮する | 拡張する |
白血球数 | 増加する | 減少する |
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自律神経失調症のタイプ別
本質的に変調をきたしやすい人
心理的に原因はなく体質的に自律神経の変調をきたしやすい人の場合です。このタイプは比較的少ないと思います。
心理的なことが原因となっている人
生活習慣、性格、感情によるゆがみから心のコントロールがうまくできず日常生活に支障をきたしている人も多く見られます。不安や警戒心の強い人が、この心理的なことが原因となっている人のタイプです。
ストレスが原因となっている人
自律神経失調症にもっとも多いのが、ストレスが原因となっている人です。頭痛、めまい、疲労、などの症状を気にしないようにしたり、感情を抑えようとする傾向が強いです。そのために自律神経のバランスを崩してしまいます。
うつ病のタイプの人
ストレスが慢性化すると、精神的なうつ状態が続き、さらに身体の症状を訴えるようになります。この場合、うつ病とうつ形自律神経失調症の境目がとても難しいく両方をトータル的に考える必要があります。
自律神経失調症の主な症状
頭 | 偏頭痛・頭が重い等 |
---|---|
目 | 目が疲れる・涙目になる・目が開きにくい等 |
口 | 味覚異常、口が渇く等 |
耳 | 耳鳴り・耳づまりがする等 |
喉 | のどがつまる・圧迫感・異物感・イガイガ感等 |
手 | 冷え・ほてり・しびれ・感覚異常・痛み等 |
足 | 冷え・ほてり・しびれ・痛み・ふらつき等 |
皮膚 | 乾燥・かゆみ・多汗等 |
心臓・血管 | 血管系 のぼせ・めまい・動悸・胸部圧迫感・立ちくらみ等 |
筋肉 | 関節 肩こり・首のこり・間接のだるさ等 |
呼吸器 | 息が吸いにくい、苦しい、過換気症状等 |
消化器 | 便秘・下痢・胃もたれ・吐き気・腹部膨満感・吐き気等 |
泌尿器 | 頻尿・残尿感・尿が出にくい等 |
生殖器 | 不感症・生理不順・月経痛・インポテンツ等 |
精神的な症状 | 意力・集中力・注意力が低下する・不安感・イライラする・落ち込む・孤独を感じる・情緒不安定になる等 |
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